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本人の書いた小説・二次創作などを置いていこうかと。 現在は川上稔氏の著書、都市シリーズの二次創作の予定
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2006/02/11
観光案内-威尼斯の抱える問題-
 威尼斯は「追憶都市」であると同時に、豊かな海に囲まれた「水の都」であることは周知のことかと存じます。
 しかし、威尼斯は現在、「水の都」であるがために緩やかな破滅の運命を迎えているのです。
 威尼斯では11月から3月頃にかけて吹く阿弗利加からの季節風「シロッコ」の影響により発生する、と言われる「アックア・アルタ」と呼ばれる洪水に毎年見舞われています。
 「アックア・アルタ」は昔からの自然現象であり、威尼斯の住民はそれを予見し何とか折り合いをつけて生活を続けていましたが、1900年代に入った頃から「アックア・アルタ」の回数の増加、満潮時の水位の上昇、例年では起こらなかった時期での発生などの問題が生じました。
 その原因としては第1に威尼斯の自然な地盤沈下、第2に1950~60年代に本土側の工業地帯が発展し、地下水の過剰汲み上げを行なったことに端を発する大幅な地盤沈下、第3に地球温暖化に伴う世界全体の水位の上昇、などが考えられています。
 歴史的建造物を多く抱える威尼斯の水没の危機を危惧した各国は、「アックア・アルタ」による被害を防ぐ目的で、周囲の環境を改造し、人為的に操作することを可能にするために「モーゼ計画」を提案、実行に移そうとしましたが、これに対し住民が「威尼斯を取巻く環境を改造して、都市を救うことは、自然な環境を破壊し死滅させた上に立つ救いである。自然と都市は共にあるべきもので、都市だけが生き残ることは意味がないことである」と反対し、計画の中止を求めました。

 結果、各国は住民の意思を尊重するとして計画の実行を中止しましたが、その代替案として出されたのが、沈み行く威尼斯の記録を残すために「記憶師(メモリスト)」(注1)の派遣を斡旋することでした。


(注1)
 「記憶師」とは己の見聞きし、感じた現実の一場面の記憶を符に封じることで記憶の風化を防ぎ、正確な記憶を保持することのできる遺伝詞(ライブ)関連の職業です。彼らの多くは情報を発することに長けており、ある者は文字媒体、ある者は映像媒体、ある者は遺伝詞媒体により封印した記憶を外界に発するのです。

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